赤ちゃんが生まれると、母乳を飲ませながらの育児がスタートします。出産後5日ごろまでに出る、黄色みがかった濃い母乳を初乳といい、細菌やウイルス、アレルギーに対する免疫抗体が豊富で栄養価も高いことから、ほとんどの病院や助産院で赤ちゃんに飲ませてあげることが推奨されています。また、赤ちゃんがおっぱいを吸うと、母乳が分泌されると同時に子宮収縮を促すホルモン(オキシトシン)も分泌されるので、産後の子宮回復にも役立ちます。
母乳は赤ちゃんにとっての完全栄養食といわれます。母乳は栄養的に優れているだけでなく、母と子のスキンシップを促します。母乳をあげることは、ママと赤ちゃんの絆を深めるためにも大変よいことであると理解してください。ただ、生後間もなくの赤ちゃんはまだ吸う力が弱く、ママも出産直後は母乳の分泌量が少なく乳腺がしっかりと開通していないので、最初のうちは上手くできないことも多いものです。できるだけ頻繁に吸わせることで母子共に授乳に慣れてきますので、あきらめずに取り組んでください。
母乳の出には非常に個人差があります。出産直後から痛いほど胸が張って、赤ちゃんがまだたくさん飲めないため搾乳をしなければならない人や、いくら母乳マッサージをしても胸が張らずに粉ミルクと混合にした、という人もいます。高齢だから出にくいということもありません。最初のうちは、おっぱいの量が足りてるのかどうか分らないという人も多いと思いますが、慣れてくれば分るようになってきます。乳首の手入れや乳房マッサージなどの母乳ケアをまめにする、左右ともまんべんなく吸わせる、リラックスして楽な姿勢で授乳する、などに気をつけて、母乳育児に取り組みましょう。
母乳育児をするなかで、一番気をつけたいトラブルは乳腺炎です。乳腺の一部が充分開通せずに母乳が溜まってしまい、そこに細菌が入って炎症が起こる状態のことをいいます。乳房が赤くはれて痛み、発熱します。こうしたトラブルは、できるだけ悪化させずに回避したいものです。産婦人科では、出産後も母乳のトラブルのケアの仕方や母乳育児について指導してくれる「母乳外来」を併設しているところもあります。母乳外来専門の助産院などもありますので、いざというときの為に、ぜひチェックしておいてください。
35歳以上で初産の場合には、一般的にいうと「高齢出産」と呼ばれます。35歳以上の出産でも、2回目以降の出産に関しては「高齢出産」とは呼ばれないことをご存知ですか?初めての出産と2回目以降の出産では、産道の柔らかさや骨盤の状態などが大きく異なるという観点から、区別されるようになったそうです。高齢出産は、全体の割合からすると、まだまだ少数派です。
厚生労働省の情報によると、2005年における35歳以上の初産は全体の約5%という数値が出ているからです。しかし、高齢出産は増える傾向にあります。その理由の一つに、医療の進歩のお陰で年齢の高い女性が安全に出産することができるようになった点が挙げられます。また、女性の社会進出が進んだため世の中では晩婚化がすすでいます。このような事柄も社会的な背景として考えられます。
高齢出産にはさまざまなリスクが伴うと巷では言われています。例えば、難産になりやすいとか、流産しやすい、ダウン症候群などの染色体異常が起こる確率が高くなったり、妊娠高血圧症候群になりやすい、というような点です。確かに、統計上の数値が示すこれらの確率の年齢による変化は、無視することはできません。しかし、これらのリスクは、数ある妊娠・出産のリスクの中の、一部に過ぎないのです。また、35歳を境に劇的に変化が訪れるわけではありません。35歳以上の妊婦さんが必ずこれらのリスクに見舞われるということではありません。