産褥期は母体の回復を優先する

妊娠中、赤ちゃんを育てるために大きくなっていた子宮は、出産後、妊娠前の大きさに収縮します。子宮が収縮するときに、後産(後陣痛)といってお腹がギューッと縮むような痛みを伴うことがありますが、痛みの度合いは個人差があります。一般に初めての出産は後産が軽く、二人目以降は後産が強い傾向があります。高齢出産だからといって、後産がきついとか子宮の回復が遅いというようなことはありません。ただ、陣痛が強く来てスムーズに出産できた場合は子宮の回復も比較的早く、微弱陣痛で長引く出産だった場合は時間がかかる傾向にあるようです。

 

子宮の収縮に伴い、子宮内部に残った胎盤や卵膜が出血の形で排出されます。これは悪露と呼ばれます。産後2〜3日は悪露の量が多く、1週間くらいは月経時と同じような出血があります。その後、悪露は子宮の回復と共に徐々に減り、約1ヶ月でほとんどなくなります。このため、悪露は子宮の回復の目安になります。悪露が長引いて痛みを伴ったり、発熱などがあれば、産婦人科を受診しましょう。

 

出産時に会陰切開をした場合、産後数日は会陰の縫合部がひきつれて痛いことがあります。起きあがるときや歩くときなどに痛みを強く感じ、座るときもドーナツクッションは必需品という声もあります。また、排便排尿時に会陰の消毒をする必要がありますので、会陰が回復するまでが、思った以上につらかったという人も多いようです。会陰の縫合部の抜糸は退院前日くらいに行う病院が多いので、それまでの辛抱です。その頃には縫合部分も回復しています。退院後、1ヶ月くらいの間に徐々につれる感じもなくなっていきます。

 

出産後、ママの体の中では、さまざまな内分泌ホルモンが急激に変化して分泌されています。産後直後から1週間くらいの間に、無事に赤ちゃんを産んで幸せなはずなのに、焦りやイライラ、疲労感などの症状に陥ることがあります。こうした症状をマタニティー・ブルーと呼びますが、これは体内ホルモンの変化が心理面に影響を及ぼすために起こります。大抵は一過性のものですので、産褥期の生理的な変換点ととらえ、悲観的になりすぎずに過ごしましょう。